交通事故治療について

病院で診断される症状名紹介

外傷性頚部症候群（頚椎捻挫型・頚部挫傷型）
外傷性頚部症候群は、主に交通事故によるむち打ちが原因で起こる首の症状群です。この症状には、首や肩の痛み、頭痛、めまい、視力の低下、しびれなどが含まれます。治療には、症状に応じて薬物療法、リハビリテーション、整骨院でのマッサージやストレッチが用いられ、回復には個人差があり、数週間から数ヶ月を要することが一般的です。重症化すると慢性的な痛みや機能障害を引き起こす可能性があるため、早期に適切な治療を受けることが非常に重要です。

神経根症状（椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症）
神経根症状は、脊椎から出る神経根が圧迫や刺激を受けたときに発生します。この症状の原因には、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎分離症などがあります。神経根が圧迫されると、その神経が支配する体の部分に痛み、しびれ、筋力低下が現れることがあります。例として、腰椎神経根が圧迫されると、坐骨神経痛として知られる足の痛みやしびれが起こることがあります。治療には、薬物療法、物理療法、運動療法、整骨院での矯正やマッサージ、場合によっては手術など、症状と原因に応じた方法が選択されます。

バレー・リュー症候群
首の損傷が自律神経に影響を及ぼすことで、めまい、耳鳴り、息苦しさ、頭痛、後頭部の痛みなどが発生し、自律神経失調症に似た症状が現れることがあります。また、頸椎の損傷と直接関連しないように見える耳鳴りや難聴、不眠、全身の倦怠感もよく見られます。さらに、目のかすみや涙の流れ、動悸や発汗、集中力の低下などの症状も報告されています。

脳脊髄液減少症（低髄液圧症候群）
脳脊髄液減少症は、脳と脊髄を取り巻く髄液が減少することで発生し、頭痛、めまい、首の痛み、全身の痛み、聴力・視力・味覚の障害、倦怠感、自律神経の異常などの症状を引き起こします。診断にはMRI、RI脳槽シンチグラフィー、CTやMRIを使用した脊髄腔造影法（CTミエログラフィーやMRミエログラフィー）が有効です。しかし、これらの詳細な検査を行わずに治療が終了し、原因不明のまま長年苦しむケースもあります。可能であれば、これらの検査を受けることをお勧めします。

脊髄損傷型
脊髄は脳から続く中枢神経系の一部で、脊椎（背骨）内を通る重要な神経です。脊髄損傷とは、交通事故や骨折などによる直接的な衝撃で脊髄が傷つくことを指し、脳に近い部分が損傷するほど障害の程度が重くなります。一度損傷を受けると、その部分は修復や再生が非常に困難で、永続的な障害を負うことになります。そのため、損傷後の生活は長期にわたって障害と向き合うことが必要であり、将来的には再生医療への期待が寄せられています。

不全麻痺
不全麻痺は、完全ではない脊髄の損傷で、多くは椎体の脱臼や骨折を伴わない非骨傷性の事例が多く見られます。

中心性頚髄損傷が代表的な病名であり、他に前角障害、後角障害、ブラウン・セガール症候群、前脊髄動脈症候群、頚椎症性脊髄症などがあります。損傷部位により、ある程度の回復は見込まれるものの、多くの場合何らかの後遺症が残ります。

特に中心性頚髄損傷では、両上肢に痛みやしびれ、麻痺が現れ、排尿・排便障害やED障害も伴うことがありますが、下肢は比較的無事で通常歩行が可能です。上肢に顕著な麻痺がない場合、症状が軽いと誤解されがちで、医師の理解を得にくく、画像所見が少ない場合にはムチウチと誤診されることもあります。これにより、保険会社が治療の打ち切りを決定することもあり、後遺障害の立証が非常に困難となっています。